文部科学省は20日、学校と保護者との連絡で用いる押印に関して、省略や見直しを求める通知を全国の教育委員会に出しました。テレワークの普及により、様々な業界で「脱ハンコ」の動きが高まっています。そもそも印鑑はいつどこで始まり、私たちの生活に根付いたのでしょうか。

 

印鑑はなんと紀元前3500年頃、メソポタミアで使用されたのが起源とされています。最初は円形状のボタン型のもので、粘土板の上に転がして押印するというものでした。印鑑を持つことが出来るのは有力者だけで、それぞれが独自の印鑑を首にかけて、必要に応じて使用していたそうです。その後、世界各地へ広まっていきました。

 

日本での最古の印鑑は、北九州で発見された「漢倭奴国王」と刻まれた金印です。初めは政府や地方の支配者の公の印として使われていた印鑑ですが、平安・鎌倉時代になって、個人の印として印鑑を押す習慣が定着したようです。明治になると、公の印は法律によって管理・使用されることになり、個人の印は印鑑登録制度が導入されるようになりました。

 

ちなみに欧米諸国では印鑑を押す習慣はありません。印鑑が浸透しているのはアジア圏のみで、現在も使用しているのは中国・台湾・韓国・日本だけのようです。ただし、中国には印鑑登録制度はなく、書類の殆どはサインで大丈夫です。また、韓国も印鑑登録制度を段階的に廃止している最中で、個人認証として日常的に印鑑を使用している国は日本と台湾だけということになります。

 

便利な世の中になるのはとても素晴らしいことですが、昔から文化や伝統がなくなるのは少し寂しい気もします。印鑑の他にも日本には古来から続いている文化がたくさんあります。時代の移り変わりとともに振り返ってみるのもいいですね。