4月24日夜、国際宇宙ステーション(ISS)にて、日本人宇宙飛行士同士のたすきリレーが行われました。既にISSに滞在中の野口聡一さんから、星出彰彦さんへバトンが引き継がれます。星出さんはおよそ半年間の滞在を予定しており、日本人では二人目となる船長として、ISSの指揮を執ることになります。日本人宇宙飛行士が二人同時に宇宙に滞在するのは、2010年の野口さんと山崎直子さん以来、二度目となります。

 

星出さんは、実際に宇宙へ行くまでに2回、悔しい思いをしているそうです。1回目は大学4年生のとき、宇宙飛行士の募集があったのですが応募条件を満たしておらず、断念せざるを得ませんでした。2回目は、宇宙開発事業団の仕事をしながら宇宙飛行士の試験に挑戦しましたが、残念ながら落選してしまったそうです。3回目の挑戦でようやく宇宙への切符を手に入れたのです。

 

宇宙飛行士になるためには、JAXAの宇宙飛行士候補者に選抜されなければなりません。書類、第一次、第二次、第三次の4つの選抜試験があります。英語試験(筆記試験・ヒアリング試験)、経歴、健康状況などを審査し、第一次審査へと進みます。第一次審査では病院での医学審査・一般教養試験・基礎的専門試験・心理的性検査、第二次審査では病院での精密検査・面接試験(ネイティブスピーカーとの英語面接、JAXAスタッフと外部有識者による一般・専門面接など)が行われ、上位数名に絞られます。そして、第三次審査では2週間に渡る長期滞在適性検査、さらにJAXA理事長などとの面接や追加の医学検査が行われます。最終決定までに2ヶ月の期間を経て、宇宙飛行士の候補者が決定するのです。

 

JAXA宇宙飛行士候補者に選抜されても、すぐに宇宙飛行士になれるわけではありません。たくさんの訓練を行い、ようやく宇宙飛行士として認定されます。その後は1年毎に継続的に維持訓練を行いながら、搭乗を指名されるまで待つことになります。

 

小学生の皆さんの中には宇宙に行きたい!という夢を抱いている子もいると思います。宇宙飛行士になるには長い道のりですが、星出さんのように諦めずに何度も挑戦することで、夢がかなうかもしれません。好きな気持ち、やりたい気持ちを大切に、楽しみながら学んでいきましょう!

 

20210428