10月5日(月)より、ノーベル賞の発表が始まりました。自然科学3賞は、今日までに「医学・生理学賞」「物理学賞」が発表され、本日、「化学賞」の発表があります。2018年に京都大学の本庶特別教授が医学・生理学賞、2019年には旭化成の吉野名誉フェローが化学賞を受賞し、日本人の3年連続受賞があるか、注目されています。今回はノーベル賞についてご紹介いたします。

 

ノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベルは発明家であり事業家でもありました。ノーベルは約350もの特許を取得したのですが、最も有名な発明はダイナマイトです。ダイナマイトはもともと人類の生活がより豊かに暮らしやすくなるようにという願いを込めて発明されました。ところが、ヨーロッパ各地で勃発した戦争により、武器として使用されることが多くなり、ノーベルは“死の商人”と呼ばれるようになりました。そのことにショックを受けたノーベルが、ダイナマイトで得た資金を人類に貢献した人々へ与えるという遺言を残し、その遺言を元に創設されたのがノーベル賞です。120年近い歴史のある、世界で初めての国際賞なのです。

 

ノーベル賞には6つの種類があります。

・医学・生理学賞

・物理学賞

・化学賞

・文学賞

・平和賞

・経済学賞(厳密にはノーベル賞ではない)

各分野で人類に最も大きな貢献をした人が選ばれます。ノーベル賞は一人だけとは限らず、賞ごとに毎年3人まで選ばれます。過去の平和賞では団体が選ばれたこともあります。

 

ノーベル賞の選定にはトータルで1年近くかかるそうです。まずは推薦者の声を集め、候補者を選びます。この推薦者も過去の受賞者や選ばれた大学教授など限られた人しかなれません。もちろん、自分で推薦することも出来ないため、どんなに大きな業績を残したとしても、推薦者に求めてもらわなければ候補に選ばれないのです。この候補者は各賞で約300人くらいが集められます。そこから、5月頃に各賞5人に絞られて、10月上旬にようやく受賞者が決まります。

 

発表は一瞬ですが、受賞者が選ばれるまでに1年間、また、それぞれの受賞者は発明や研究に膨大な年月を費やしています。次の「化学賞」の発表は、日本時間で本日7日(水)の午後6時45分です。日本人では東京大学卓越教授の藤田誠さんが有力候補として注目されています。誰が受賞するのか、楽しみに待ちましょう!